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新生児ざ瘡
生後1~2か月の間に頬部を中心として顔面に丘疹を生じ、男児に多く見られます。生後一時的に皮脂分泌が亢進するために起こります。8か月以内に自然軽快することがほとんどです。
乳児脂漏性湿疹
新生児から乳児期には生理的に脂腺の機能が亢進し、多くは頭部、顔面に落屑を伴う紅い皮疹が見られます。顔面、頭部のみでなく体幹にもみられることがあります。アトピー性皮膚炎と区別が難しい場合があります。治療はひどい場合はステロイド外用を行いますが、多くはスキンケアのみで軽快します。
乳児湿疹
乳児湿疹とは、新生児期から乳児期の皮膚にみられる湿疹です。生後は新陳代謝が活発で皮脂が多く分泌されるため【乳児脂漏性湿疹・新生児ニキビ】を引き起こすことがあります。生後3ヶ月以降は皮脂の分泌も落ち着くため乾燥しやすくなります。赤ちゃんの肌はバリア機能も未熟であるため肌を清潔に保ち、保湿をしっかりすることで肌を保護する必要があります。 当院では、肌の状態に合わ せた日常のスキンケアについても丁寧にご相談にのります。
おむつかぶれ
おむつをしていることで、汗や排泄物の湿気や水分が刺激となり、おむつの当たる部分(外陰周辺・肛門)に肌トラブルを起こすことがあります。 おむつはまめに取り替え、排泄物はきれいにふき取るか洗い流しましょう。その後、水分が残らないようしっかり乾かした後、おむつをは かせるようにしましょう。
虫刺され
蚊、ハチなどの虫に刺されると赤く腫れたり、かゆくなったりします。掻き壊してしまうととびひになったり、痕が残ったりする場合がありますので、早めに治療をしましょう。治療はステロイド外用を行います。かゆみが強い場合には抗アレルギー薬を内服します。ハチなどの場合には強いアレルギー症状を伴うこともあり、注意が必要です。
とびひ(伝染性膿痂疹)
伝染性膿痂疹(とびひ)は皮膚の感染症ですが、原因菌は皮膚の常在菌で誰にでも存在しています。皮膚表面に感染すると紅斑・水疱・膿疱・びらん・痂皮を形成します。 水疱性膿痂疹:初夏や夏に多く発症し、乳幼児に多くみられます。軽度のかゆみはありますが発熱などはありません。 痂皮性膿痂疹:季節は問わず、成人に多くみられます。水疱や膿疱から始まりますが痂皮へと変わっていきます。炎症症状が強く、発熱などの全身症状がみられます。 当院では、抗菌薬の内服と外用薬の併用で治療を行います。
小児乾燥型湿疹
小児に見られる乾燥+湿疹です。アトピー性皮膚炎に移行することもあります。治療は保湿剤、ステロイドの外用です。外用の塗り方 を説明します。保湿剤の塗り方ひとつで症状が改善することもあります。皮膚乾燥がある方は一日3回以上の保湿を心がけましょう。
汗疹(あせも)異汗性湿疹
汗によって汗腺(汗の通り道)が塞がることによってできる皮疹です。スキンケアのみで良くなることもありますが、湿疹になってかゆみが強い場合はステロイド外用が必要なこともあります。とびひ 、汗腺膿瘍などの感染症が起こることがあります。 手足で汗の袋ができ多発するものを汗疱と言います。それが接触皮膚炎などをさらに引き起こし、異汗性湿疹となります。季節ごとに繰り返す方もいらっしゃいます。
多型滲出性紅斑(多型紅斑)
周りが盛り上がる紅斑が手足に現れます。感染症や薬剤に対するアレルギー反応が主な原因です。かゆみは人それぞれです。ステロイド外用、抗アレルギー剤内服で加療します。薬疹、中毒疹も同じような皮疹が見られることがあり、同じカテゴリーの病気と考えています。
線状苔癬
小児によくできる線状のぶつぶつしたやや淡い赤い皮疹です。自覚症状はあまりなく、数ヶ月で自然治癒します。かゆみやなかなか治らない場合はステロイド外用をすると比較的早く良く なります。
円形脱毛症
突然、丸い脱毛が見られる病気です。かゆみや痛みがない事が多く、美容院に行って指摘されることもあります。気づいた時にはすでに柔らかい毛が生え始めていることも多いですが、まだまだ簡単に抜けてしまうという状態のこともあります。治療はステロイド外用を行います。治りにくい場合は局所免疫療法、紫外線療法、JAK阻害薬の内服などをお勧めするため、他院を紹介します。
ウイルス性いぼ
皮膚科のクリニックでは強皮症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群などが見られます。頻度はとても少ないですが、見逃してはいけない疾患でもあります。最初は湿疹のように見えることもありますので、治りにくい場合は膠原病も考えなくてはいけない可能性もあります。膠原病の疑いがある方は皮膚だけでなく、全身の検査が必要なため、膠原病内科または大きな病院の皮膚科等を紹介します。
みずいぼ
ポックスウイルスに属する伝染性軟属腫ウイルスによるイボです。乾燥している状態や小さな傷、毛孔から感染して皮疹ができ、次々と広がっていきます。基本的には摘まみ取っていきます。麻酔のテープをお渡ししてイボをとっていきます が、完全には痛みがなくならないのと怖さもあり、泣いてしまう子が多いです。できるだけ受診回数を減らすため、一回になるべく多く取るようにしています。麻酔のテープは受診の40分前くらいに貼付してきていただきます。
手足口病
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどによる皮疹です。半数で発熱が見られます。口の中や手足、肘膝、お尻に皮疹が見られる事が多いです。痛みを伴うこともあります。症状がひどいと爪が脱落することもあります。皮疹の中にウイルスがいるわけではありません。通常自然に治っていきますが、症状がひどい場合は抗アレルギー剤内服やステロイド外用を処方することもあります。ウイルスは唾液や便中に2〜4週くらい排泄されるので注意が必要です。